暗闇から被弾する銃弾が、 狂気の男の鉄の腕が、今、重く厚い過去のベールを引き剥がす。
その後に残される夥しい流血。
その後に刻まれる忌まわしい伝説。
破壊と殺戮の伝道師達、レッドショルダーのここは故郷。
暗く濃密な大気の底で、やがて紅い屍を晒す星で、鉄の獣たちの饗宴が始まる。
製作記は長いので下記から↓
WAVE 1/35 スコープドッグ ターボカスタム を「レッドショルダードキュメント野望のルーツ(以下:野望のルーツ版)」での第三次サンサ戦のキリコ機として製作しました。
■製作
Mr.WAVEのターボカスタムはキットに記載の通り、「ラスト・レッド・ショルダー版(以下:LRS版)」となっています。
今回の製作の動機としては、
「劇中の破損した状態でのリーマン機との激闘を再現したい」
だったので、LRS版から野望のルーツ版に“それらしく”(←重要)改修して製作しました。
□改修案検討
これが野望のルーツ版キリコ機
被弾して装甲がむき出しになった右腕がめっちゃ格好良い(けど実際に劇中で装甲が剥がれたのって上腕だけな気が。)
LRS版キットの組立画とにらめっこしながら改修する箇所を決める。
◯右腕を装甲が外れた状態に
◯肩のリベット打ち直し
◯ガトリングガンをボリュームUP
◯2連ミサイルランチャーを角型から丸型に変更
◯胴体サイドインテークを大型化
◯ふとももを幅増し
◯ミッションパックの出っ張りを小型化して装備吊り用のベルト追加
◯×印は劇中で破損した箇所orもともと取り付けられてなかったので無しに
といったところ。
ポージングに関しては、''右足を軸に回転→止まりかけのタイミングで照準を定めて...!''といった感じをイメージして半固定。
ちなみに野望のルーツのサンサ戦での特徴的なミッションパックから吊り下げた各種装備品は無しに。
今回ヴィネットにした状態=劇中で左腕の装甲が外れたタイミングだと、それ以前に被弾して外れていたので。
少し残念な気もするけど。(完成しなくなる
製作に際し、「マスターファイル スコープドッグ」やMr.WAVEから以前発売された1/24のGK等を参考に。
Mr.WAVEの1/35スコープドッグ自体、めちゃくちゃ格好良いので、完全再現とかでは無く、特徴的な意匠を盛り込む方向で。
□腕部
・右腕は外部装甲が被弾して内部フレームが露出した状態をプラ板と各種アフターパーツのシリンダーとか丸モールドでそれらしく。
・肩の装甲はリベットを削り落としてエバーグリーンの0.88㎜の丸棒の頭を丸めたものを再度打ち直して、溶きパテで鋳造表現を。
□脚部
・ふとももで1.0㎜幅増し。接着面の分割線は活かして、反対側にスジ彫りを追加。
・それに伴い、膝関節も両サイドで0.5mmずつ計1.0mm幅増し。
・膝アーマーは内部の補強リブ的なものをプラ板で自作。
□ミッションパック
・中央部凸部の幅をミッションパック吊り用紐を設置する為に狭く。
・左腕は上腕から被弾して破損した状態に。
・右足を軸に回転している状態としている為、右足のみターンピックを作動状態に。
・各種装備吊り下げ用のベルトはパテにて製作。
・これがまあ作ってる途中で折れる折れる。今考えたらマスキングテープを瞬着で固めたのにすれば良かったなと。
・回転中という設定の為、ベルト自体も振られて、少し動いてる感を+。
□武装関連
・ガトリングランチャーはキット7.0mmに対して7.5mmプラパイプに変更で少し大型化。
・2連ミサイルはキットをベースに削り込み+両端部はアフターパーツで丸型に変更。
・サイドインテークは後端にプラ板で武装との接続ブロックを追加。
□その他
・胸部装甲はリーマン機のアームパンチを受け凹んだ状態に。プラ板をライターで炙って柔らかくして凹ませたものをキットの胸部をカットして取付。
・頭部にはパイルバンカーを食らった状態に。
・ハッチ部フックは0.8㎜真鍮線に変更。
・左肩にはマルチディスチャージャーを装備していたけども、被弾して根本だけ残っている状態に。
・頭部アンテナは、1.0㎜スプリング+0.4㎜ピアノ線に変更。
・予備マガジンにディテール追加。
■塗装
・メカサフ「ヘビィ」を筆塗り。
・サフ塗ってみたら溶きパテで施した肩の鋳造表現の凹凸が足らない気が。
・筆塗りで基本塗装完了。
・ガイアノーツさんのボトムズカラーを基本色にして→各色少し淡めの色を上塗り。
※この後やっぱり肩の鋳造表現をやり直し→再塗装。
緑:AT-01グリーン(VC)→明灰緑色(C)
薄緑:AT-02ライトグリーン(VC)→ダッグエッググリーン(C)
バイザー・ミッションパック・武装関連:AT-03ブルーグレー(VC)→ライトブルー(C)
関節部:AT-04パープルグレー(VC)→グレーバイオレット+ホワイト(C)
ヘビィマシンガン:フォグブルー(VC)
※VC⁼ガイアノーツ「ボトムズカラー」
※C⁼GSIクレオス「Mr,カラー」
・ウェザリング完了状態。=本体は大体完成状態。
・使用したのは、クレオスウェザリングカラーやタミヤのエナメル墨入れ塗料、パステル等。
・今回の製作の趣旨として、冒頭にも記載の通り「野望のルーツでのリーマン機との戦闘中の1シーンを再現したい」だったので、本編を見ながら各所被弾箇所や損傷個所等を再現。
・頭部のパイルバンカーで突かれたところは、装甲が奥側にめくれているように表現。
・被弾跡(貫通部)は上記とは逆に被弾箇所の周囲がめくれ上がったように。
・被弾跡(非貫通部)はリューターで削り、装甲の素地が見えているようにシルバーで塗装+周囲を緑のハイライト色で塗装+煤汚れをパステルで。
・チッピングはファレホのジャーマングレーで手書き。ファレホの完全硬化前に爪楊枝でカリカリ削って位置や範囲を調整。
・装甲表面のひっかき傷のような線もファレホにて。
・野望のルールでのサンサ戦の白眉は、無機質なATからあたかも血が(実際には被弾した搭乗者であるキリコの流血)流れているような表現だと思うので、それを再現するべくエナメルのクリアレッド+クリアオレンジ少々で再現。
■総則
初の1/35スコープドッグ製作となりましたが、元キットの出来が素晴らしく、基本形状を弄らず、追加パーツの製作に注力出来ました。
ウェザリング表現はもう少しやりようはあったかな?と思うところがあるので、次に活かしたいと思います。
長々とした記事をご覧いただきありがとうございました!