私は狭いところが好きだ。
幼少の頃に押入れの中でジッと雨の音を聞いていたら母親から夕食の準備が出来たと言われて夜になっていたのに気づくなんてこともあった。
外界との境界が身近にあることによって心が落ち着くし見えない何かに守られている気持ちになる。
飛行機パイロットから国防軍への入隊を決めたのも、新型の装甲戦闘スーツP.K.A.開発の報を聞いてだ。
いち早くP.K.A.が配備された第150装甲猟兵大隊に配属されたのは暁光だった。
そして思っていた通り、コックピットの中はまさに安息の地だった。
人員の補充をしぶる軍上層部には辟易するがその影響で各地を転戦することになってもこの中にいればどこであろうと安息の地となる。
寝食以外はこのコックピットの中にいる。いや、寝食すらもこのコックピットの中で済ます事も多々だ。作戦行動中なら尚更に。
機体に搭乗した状態でブリーフィングに参加は出来ないので渋々降りるのだが。
本作戦行動における要となるのは降雨が成るかに掛かっている。
降雨によるレーザー照射の減退効果は有用であるし、ぬかるんだ地面は装甲スーツにとっては進軍の妨げとなる。
それはこの新型の重P.K.Aのケーファーに装備された武装にも同様のことは言えるのだが、地盤面への設置面積を極力少なくした爪状の四脚での移動性能は活きるし、我が軍の主要武装である実弾兵装の方が傭兵軍のピーナッツの固定武装よりもアドバンテージがある。
皆は口を揃えて雨が早く降ってくれれば作戦が終わると言っているのをこの安息の地から聞いているが、私だけが反対のことを思っている。
雨なんて降るな。
□P.K.A.Ausf.S/1 シュトゥルムケーファー前期型
シュトラール国防軍によって開発された四脚型の重P.K.A(Panzer Kampf Anzug Ausf.S)。
傭兵軍のグラジエーターに対抗する為に開発されたケーファーの前期型。
Sは重量級を意味する「Schwer(重い)」が由来だが、極初期型との区別の為に乗員から呼ばれる俗称「Sturm(嵐)」が定着し、後に正式な呼称として採用されている。
機動性や出力向上の為に動力部を大型化し、胴体をストレッチした後期型(S/2)や間接視認装置を搭載した改良型(S/2改)も存在する。
第150装甲猟兵大隊の第8中隊"PikAs=スペードのエース"部隊所属のクラウスレーゲンドルフ曹長の搭乗機。
ダークグリーンとライトグリーンのスプリッター迷彩となっている。
部隊章は部隊名同様のスペードのエース。
機体ノーズ部にシャークマウスのマーキングが施されている。
※記載のストーリー・設定は妄想設定につき公式ではありません。
□雑記
デカールを見て即このシャークマウスを貼ろうと決め、そこからスツーカのカラースキームへと流れついてオレンジの認識帯へと悩む事なく進めることができました。
1/35ということでAFVのように艶消しでも良いかな?と思ったのですが、個人的に不均一な艶感が好きなので半艶仕上げにしています。艶かしいボディラインに半艶仕上げが結果的には映えて良い塩梅に。
ディテールUPは
・サイドキャノピーガードを真鍮線0.4mmで追加
・キャノピーを分割してオープン状態に
・フロント部機銃の穴開け
・動力パイプ追加
といったところです。